研究室への参加方法・指導方針
参加方法
- 東京大学の学生として研究室に参加する場合
- 修士・博士で小林研究室へ参加を希望される方は工学系研究科 電気系工学専攻の大学院、もしくは東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻を受験してください。過去問なども掲載されていますので参考にしてみてください。特に電気系工学専攻の問題は、定量的なデータを解析したりモデルを作ったりする際に、最低限学んでおくべき数学や物理の内容が含まれているので、生物系の方でも勉強してみて損はないと思います。
- 大学院外国人研究生の受け入れについてはこちらを御覧下さい。
- 学術振興会PDとして研究室に参加する場合
- まず小林にメールをいただければと思います。一度具体的に研究テーマなどについて話をして参加を検討するのがよいと思います。
- ポスドクとして参加する場合
- 公募がされている場合は、公募の要領に沿って応募してみてください。応募以前の問い合わせも歓迎します。
- それ以外の方法で参加する場合
- 小林研究室では、指導委託による学生の受け入れや、生物系学生などの一時的な受け入れ(たとえば1年程度の短期の受け入れ)なども、受け付けております。例えば実験研究室に所属しつつ、定量データの解析法や理論的な手法を学びたい学生なども歓迎します。詳しくは小林(tetsuya アット mail.crmind.net :アット→@に変換)までご連絡ください。
学生生活について
小林研は2008年6月にできたばかりの研究室です。そのため現時点では教員あたりの学生が少なく非常に手厚い指導が受けられる反面、学生にとっては「他の学生から孤立した環境に置かれるのでは?」という不安が有るかと思います。
しかし小林研究室は、同じ生産技術研究所の合原研究室、鈴木研究室、河野研究室と合同で学生の面倒を見ているので、その点で問題は有りません。これら3研究室と共同の学生部屋を使えるため、各学年約5人くらいの学生が研究室にいるのとほぼ同じ環境です。
この点で小林研究室は小規模研究室と大規模研究室、両方のメリットを享受できる環境にあるといえると思います。
研究室の指導方針の一般的なお話
テーマの選択は参加させる学生・PDにお任せします。しかし、どちらにしても理論だけ、実験だけでは本当の意味での新しい話には到達できないと思いますので、自分の強みを生かした範囲で両方にかかわるようなスタンスを求めます。細かいことはやりたいことがあれば自主性に任せますし、こちらで与えてほしければ与えるようにします(まあ適応的におこなうということです)。
もう少し具体的なテーマの内容などについては、研究室の研究内容を参考にしてください。
また小林研のメンバーや設備、輪講などの勉強会、そして定期的な進捗報告会の詳細については、About usを参照してください。
研究室の指導方針(生物系に向けて)
実験との接続を保って理論系の知識・発想を学べる環境を活かしてください
おそらく生物系の参加者は【テーマ1】が主体となると思います。 小林研では現在実験系のセットアップも計画していますがまだまだ不十分です。
理論だけを学ぶのもよいですが、常に実験に戻れる立ち位置を確保するのは生物学者として独立するためには必要でしょう。特に理論の研究室を経験した数少ない実験研究者は、現在これからの生命科学をリードする研究を進める立場になっています。(例:理研上田さん、東大黒田さん、)。
指導委託や共同研究という形での指導も行いますので、実験のできる研究環境と本研究室の環境とをうまく組み合わせることを考えていただくとよいと思います。
例えば、現在こういう実験系をやっているんだけれど、その実験に理論的な方法や定量的な解析を取り込むために小林研に参加するというような形は最適なものの一つかと思います。もちろん一時期どっぷりと理論ベースの研究室に浸かるのもよいとおもいます。どちらにしても、どのように実験的な方法と理論的な方法とを組み合わせされるかを考えていただきたいと思います。
ただ今生産研究所の中のバイオ工学技術や微細加工技術の人たちと共同の実験室に場所を貰っています。もし実験系を自分で立ち上げる気概がある方がいらっしゃったら積極的にサポートします。たぶん数理・データ解析・工学微細加工技術などを同時にそれも実地で学べるのは他にはなかなか無いのでないでしょうか。また何人かの先生から光学顕微鏡や共焦点顕微鏡なども貸していただけるよう話もしているので、そのへんもサポートいたします。P2実験室やマウス部屋なども貸してもらうことができると思います。
実験にすぐに役立つ技術も学ぶことができます
とはいえ、実験研究者が理論系の研究室に参加することにはハードルが高いでしょう。数理モデルや数理的な考え方を学ぶことは、長期的には実験研究者として大きな財産・武器になると私は確信していますし実際実証例もあります。しかし短期的に見ればすぐに実験に反映できるわけではありません。また実験は時間がかかり、キャリアパスとしてもあまり時間的な余裕が無いので、短期的な目標設定は大事になります。
小林研究室では実験と理論とをつなぐ技術、たとえば画像解析やデータ解析、そして工学技術を応用した測定系開発なども学ぶことができます。これらの技術は、定量的な解析を志向した実験系を持っていれば、すぐにでも実際の実験データへ適用し、活用することができます。短期的にはこのような技術を学び結果に結びつけ、長期的には実験分野とは文化の異なる理論系の発想や知識などを蓄えてもらえれば、と思っています。
研究室の指導方針(理論系の参加者に向けて)
積極的に実験の現場にかかわる理論のスタイルを身につけてください
どのテーマを希望するにしても、数理モデルや数学の中だけで閉じこもった研究はこれからの理論生物学研究では通用しないと思います。実際、多くの理論生物学の若手が実験と理論とを融合させる研究に取り組んでおり、今後こういうスタイルが当たり前になってゆくと思っています。
実験バックグラウンドの研究者が不得手とする画像解析やデータ解析、そして測定機器作成などにも積極的に(研究時間の3~40%くらいは)かかわることを奨励します。この場合、共同研究者の存在がありますので、始めたテーマは最後まで責任をもってやっていただくことも求められます。
実験との連携に必要な技術やノウハウは提供します
逆にもし実験と融合した理論を本気で志向するのであれば、実験研究者の紹介や共同研究におけるノウハウ、モデル構築のコツ、そして泥臭い解析の手間ををなるべく減らす小林研作成の画像・データ解析ライブラリーなど、こちらから提供できる知識・リソースなどは積極的に提供します。
【テーマ2】の画像・データ解析技術の開発はこれからますます重要になることが確実な分野ですが、うちの研究室にある技術やノウハウを前提に始めれば結構いい手法などを開発できるのでないかと思っています。
理論的新しさの追求もサポートします
【テーマ1】は理論的新しさがなくてもよい、と書きましたが、とはいえ、理論的新しさがあった方がよいに越したことはありません。盲目的に実験との連携だけを行っていれば理論研究者としての立ち位置を見失うことにもなります。最近【テーマ1】の中で理論的新しさが担保しやすい内容や現象というのがいくつかわかってきました。例えば「適応応答の定量化とその最適性の問題」、「スケール普遍性の問題」、「3Dでの細胞の配置問題」などが挙げられます。そういう私の経験や知識を使って理論的新しさも追求できるようサポートします。
【テーマ3】についてもJSTのプロジェクトで結果がではじめているので、簡単に試せることから難しい問題まで色々と課題がたまってきています。はじめはそれらから初めて見るのも良いかもしれません。